ERP導入後も集計に時間がかかる理由とは?Power BIで進めるデータ活用

 Oct 8, 2026, 8:00:00 AM  富士フイルムPBC株式会社

ERPを導入していても、会議資料を作るたびにExcelで集計したり、複数のシステムを行き来して数値を確認したりすることがあります。こうした負担を減らし、ERPと周辺システムに蓄積されたデータを日々の判断に生かすには、必要な情報を横断的に確認できる仕組みが必要です。本記事では、データ活用が進みにくい理由と、Microsoft Power BI(以下、Power BI)を使って可視化を進める際のポイントを整理します。

ERPを導入してもデータ活用が進みにくい理由 

ERPは業務データを一元的に管理する基盤ですが、現場で必要な情報のすべてがERP内にあるとは限りません。
たとえば、営業部門では案件情報をExcelで補完していたり、部門ごとの実績をCSVで出力していたり、社内共有にSharePointを使っていたりするケースがあります。また、特定業務ではERP以外のSaaSを併用していることも少なくありません。
このように必要な情報が複数の場所に存在していると、「ERPにデータはあるはずなのに、必要な情報をすぐに確認できない」という状況が生じます。会議資料やレポートを作成する際には、複数のデータソースを確認し、手作業で情報をまとめる負担が発生しやすくなります。
ERPによって基幹業務のデータが整備されても、周辺データとの連携やレポート作成の仕組みが整っていなければ、情報収集や集計の負担は残ります。ERPの導入と、データを日常業務で活用できる状態の実現は、分けて考える必要があります。

データ活用を妨げる「探す・集める・待つ」業務

多くの場合、負担になっているのは分析に入る前の準備工程です。
具体的には、次のような作業が発生します。

  • 必要なデータがどこにあるかを探す
  • 複数のファイルやシステムから情報を集める
  • レポート用にデータを加工・整形する
  • 更新済みのデータ出力や、部門からの提出を待つ

ひとつひとつは小さな作業でも、日々繰り返されることで大きな工数になります。加えて、手作業が増えるほど、転記ミスや定義の不一致、属人化といった問題も起こりやすくなります。
本来であれば、担当部門が時間を使うべきなのは、集めたデータをもとに課題を分析し、改善策を検討することです。しかし実際には、その前段階の準備に時間を取られているケースも少なくありません。この「探す・集める・待つ」時間を減らすことが、データ活用を前進させる第一歩になります。 

Power BIが果たす役割

こうした課題への対応策の一つが、Power BIの活用です。
Power BIは、ERP、Excel、CSV、SharePointなど複数のデータソースに接続し、業務や判断に必要な情報を目的に応じて分析・可視化するためのBIツールです。情報収集や集計の負担を抑え、変化や傾向を把握しやすい環境を整えることができます。
ただし、Power BIを導入するだけで、こうした効果が自動的に得られるわけではありません。どの業務で、どの指標を、どの粒度で確認したいのかを整理し、利用目的に沿ってレポートを設計することが重要です。

Power BIで期待できる3つの改善

1. 散在するデータの見える化

Power BIは、ERPに加えてExcelやCSV、SharePointなど複数のデータソースに接続し、それらの情報を一つのレポート上で横断的に確認できるようにします。売上、在庫、購買実績など、業務目的に応じて確認する指標を揃えることで、複数のシステムやファイルを行き来する負担を減らし、変化や傾向も把握しやすくなります。

2. 集計業務の効率化

データの取り込み、加工、整形、集計の流れを標準化し、接続方法や運用条件に応じて更新を自動化することで、会議資料やレポート作成の負担軽減が期待できます。作業手順を共通化することで、手作業による転記ミスや担当者ごとの差も抑えやすくなります。

3. 迅速な意思決定

売上、在庫、購買実績、生産進捗などを継続的に確認できる環境を整えることで、情報収集にかける時間を減らし、分析や判断そのものに集中しやすくなります。業務目的に応じて更新頻度を設計することで、現場改善や経営判断に必要な情報へアクセスしやすくなります。

Power BIの活用事例

ある化学メーカーの購買部門では、購買依頼の詳細を確認するため、購買システムと営業担当が記載する案件情報Excelをそれぞれ参照しており、情報検索に時間がかかっていました。そこでPower BIを活用し、両方のデータを一つのレポートで確認できる仕組みを構築しました。その結果、営業部門の現行業務を変えることなく、購買部門の情報検索を効率化できました。

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ERPとPower Platformを組み合わせるメリット

Power BIで業務上の課題を可視化すると、その結果をPower Platformによる次の改善施策につなげることもできます。たとえば、業務上の必要性に応じて、Power Appsによる業務アプリの構築やPower Automateによる定型業務の自動化を検討できます。こうした取り組みを進める際は、ERPと周辺データの連携方法に加え、対象業務の課題や優先順位を整理することが重要です。 

まとめ

ERPを導入していても、情報が複数のシステムやファイルに分散していれば、データを探す、集める、加工するといった作業は残ります。Power BIを活用してERPと周辺データを組み合わせて可視化し、データの取得から集計までの流れを標準化することで、レポート作成の負担を抑え、分析や意思決定に時間を振り向けやすくなります。
まずは、自社業務の中で「探す・集める・待つ」作業がどこに発生しているかを把握することが出発点です。そのうえで、負担が大きく、改善効果が見込みやすい業務から可視化を進めることが、現実的な第一歩になるでしょう。

富士フイルムPBCの導入・活用支援

富士フイルムPBC株式会社は、Microsoft Dynamics 365を中心としたERPの導入・定着から、Power Platformを活用した業務改善まで幅広く支援しています。Power BIによるデータの可視化、Power Appsによる業務アプリの構築、Power Automateによる定型業務の自動化など、お客さまの課題や業務環境に応じた活用方法をご提案します。自社に適した進め方を検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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