ERP導入後も残る手入力や問い合わせをどう減らす?Power PlatformのAI活用例と導入前の確認ポイント

 Oct 27, 2026, 8:00:02 AM  富士フイルムPBC株式会社

「ERPを導入したのに、請求書の転記や社内問い合わせへの対応が減らない」――そんな課題を感じていませんか。情報を一元管理できても、PDFの内容を入力する、申請手順を調べるといった作業が残れば、現場の負担は十分に減りません。
改善の鍵は、ERPの機能だけでなく、その前後にある「周辺業務」に目を向けることです。帳票の読み取りや定型的な問い合わせをAIで支援できれば、入力や情報検索の負担を減らし、確認・判断に時間を使いやすくなります。
その選択肢となるのが、Microsoft Power PlatformのAI BuilderとCopilot Studioです。本記事では、ERPを置き換えずに周辺業務を補完する活用例と、導入前に確認したいポイントをご紹介します。

ERP周辺に残る手作業を見直す

ERPは会計・販売・購買・在庫などのデータを管理する基盤です。AIによる業務支援の幅も広がっていますが、帳票の受領から入力、申請・承認、利用者への案内まで、すべてがERP内で完結するとは限りません。
例えば、注文書を受け取ってから登録するまでに、内容の確認や転記、担当部署への連絡が必要な場合があります。改善対象はERPでの処理だけでなく、そこへ情報を届ける工程や、利用者を支える業務にもあります。
ERPを中核に、周辺業務をPower Platformで補完する。この考え方なら、既存の基盤を活かしながら、手作業が多い工程から段階的に見直せます。

AI Builderで帳票の読み取り・入力を支援

請求書や注文書を見ながらシステムへ入力する作業には、情報の読み取りと転記の負担があります。AI Builderでは、文書から必要な項目を抽出し、Power AppsやPower Automateと組み合わせて後続処理につなげられます。
例えば、請求書から請求日や金額を抽出したり、注文書から商品名や数量を読み取ったりする活用が考えられます。帳票の種類に応じたモデルの選択や設定により、入力工程の効率化を図れます。
例:帳票を受領 → AI Builderで情報を抽出 → 担当者が確認 → Power AutomateでERPへ連携

Power Appsで確認画面を用意すれば、読み取り結果の修正もしやすくなります。「一から入力する」作業を「抽出結果を確認する」作業へ変えることで、転記の負担やミスの削減が期待できます。
ただし、帳票の書式や画像の品質によって読み取り精度は変わります。また、すべてのERPへそのまま自動入力できるわけではないため、連携条件を踏まえた設計が必要です。

Copilot Studioで社内問い合わせ・申請手順の案内を支援

データ入力と並んで負担になりやすいのが、操作方法や申請手順に関する問い合わせです。「経費申請には何が必要か」「この処理はどの部署に確認するか」といった質問が繰り返されると、利用者にも担当部署にも手間がかかります。
Copilot Studioでは、自社の業務に合わせたAIエージェントを作成できます。社内マニュアルや手順書をナレッジとして活用し、ERPの操作方法、購買・経費の申請手順、問い合わせ先などを案内する用途が考えられます。
利用者が質問するだけで必要な情報へたどり着ければ、資料を探す時間の短縮につながります。定型的な案内をエージェントが支援することで、担当部署は個別の判断が必要な相談に対応しやすくなります。
ただし、回答が常に正しいとは限りません。参照する資料の更新やアクセス権の管理に加え、回答できない質問を人へ引き継ぐ仕組みも整えることが重要です。

AI活用を始める前に確認したい3つのポイント

AIの導入を目的にせず、どの業務をどう改善するかを起点に、次の3点を整理しましょう。

1. 業務課題と改善目標を明確にする

手入力の件数、問い合わせの内容、情報検索にかかる時間などを確認します。「入力時間を減らす」「定型的な問い合わせを減らす」といった目標を決めると、適した機能や検証対象を選びやすくなります。

2. 接続方法と利用条件を確認する

ERPと連携する場合は、コネクタやAPI、認証方式、アクセス権を確認します。併せて、ライセンスや利用量に応じた費用、社内の利用ルール、データの取り扱いも整理し、実際の環境で利用できる構成を検討します。

3. AIと人の役割を決める

金額など重要な情報は人が確認してから登録する、例外処理や判断が難しい相談は担当者へ引き継ぐなど、確認の範囲を決めます。AIの出力を無条件に採用せず、誤りを見つけて修正できる運用にすることが大切です。

対象を絞って試し、効果を確かめる

最初から業務全体を変える必要はありません。特定の請求書の読み取りや、よくある申請手順の案内など、対象を絞って検証する方法が現実的です。
試行では、読み取りや回答の精度だけでなく、人による確認を含めて作業時間が減るか、利用者が使いやすいかも確かめます。期待した効果が出ない場合は、帳票や資料の整備、確認手順の見直しも必要です。
結果を踏まえて対象範囲を広げれば、ERPを中核とした業務改善につなげやすくなります。大切なのは、AIでできることを増やすより、現場の負担を実際に減らすことです。

AI Builder・Copilot Studioを実践的に学ぶ

富士フイルムPBCでは、AI BuilderとCopilot Studioの概要や使い方を、ハンズオン形式で学べる教育プログラムを提供しています。実際の操作を通じて、帳票処理や社内問い合わせなど、自社業務への活用を検討するきっかけにしていただけます。

▼ AI Builder・Copilot Studioの活用例や教育プログラム資料をダウンロードする

富士フイルムPBCの導入・活用支援

富士フイルムPBC株式会社は、Microsoft Dynamics 365を中心としたERPの導入・定着から、Power Platformを活用した業務改善まで幅広く支援しています。Power BIによるデータの可視化、Power Appsによる業務アプリの構築、Power Automateによる定型業務の自動化など、お客さまの課題や業務環境に応じた活用方法をご提案します。自社に適した進め方を検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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